冬の前ぶれとしての秋

昨日、新千歳空港に降り立った時、気温は10度だった。数時間前までいた東京は30度だったから、20度の温度差ということになる。

 

2016年10月5日。すでに札幌は秋の様相で、街の人たちは薄手のコートを羽織っている。

空港行きの快速電車の車窓から、私はそんな人々を眺めて、気持ちがすーっと落ち着くのを感じている。

 

でも、とても疲れている。

 

今は札幌での仕事を終えて、東京に戻るため新千歳空港に向かっているところだ。時刻は18時15分。電車を降りて駅のホームを歩く人たちの顔は、1日を終えてホッとしているように見える。

 

私はというと、やっぱり、とても疲れている。疲れている理由は、仕事。いつもと変わらない業務内容なのに、今日は妙に緊張してしまった。どうしてだろうと考えているけど、理由も特に思いつかない。

 

この時期の札幌は、空気が澄んで、陽射しが優しく、とても過ごしやすい。明け方は10度を下回り、東京の冬と変わらない気温だ。でも東京の冬と違って、あまり寒くは感じない。ひんやりとしてる、というくらいの感覚だ。

札幌の人たちは、この時期を、夏が終わってホッとしているようにも、すぐにやってくる長い冬の気配を感じて、気を引き締めているようにも見える。冬がやってくる前にいろいろな準備をしなければいけない。でも、たいていの人は、初雪が降るころに慌てて冬支度をするから、10月のこの時期はまだ気持ちに余裕があるのかもしれない。

 

そんなことを考えながら、電車に揺られている。